今年も終わりが見えてきた。
早生まれの俺は来年で34の歳になる。
どんな年齢になっても節目を感じるものだが、昨日もまた、今日もまた、人生が深まった感じがする。
毎日そう思って生きているが、この感覚が伝わらないのではないかと怖かったり恥ずかしかったりで、人に言ったことはない。
死んでしまおうと思った日からたくさんの年月が経った。
あの時から拾った命で生きている感覚だ。
そのせいだろうか、世界の尊さは日に日に深まっていくように感じる。
さて、変な前置きになってしまったかもしれないが、今日は音楽観や製作中の楽曲のことを書きたかったのだ。
そのためにこの尊さの話をしたんだ。
なんだか最近はスマパンの気分で、そればかり聴いている。
青臭かった頃も聴いてはいたが、数曲好きな程度だった。
今になってしっくりくる曲がたくさんあるが、果たして今の若者にスマパンの味がどれほどわかるだろうか。
過去の名曲が2024年の日本に出てきた時の妄想をする。
皆さんは、そんなifな世界があったとして、どうなると思いますか?
俺はきっと流行ることはないだろうと予想する。
"流行"というだけあって、これも一種の化学反応のように実現したことに過ぎないだろう。
(ちなみにそんなテーマのビートルズの映画があったことも懐かしいな)
そんな音楽に現在ハマっている俺は、感性が逆行しているのだろうか、などと思う。
きっと違うだろう。
好きなものが好きなだけで、たまたまその時期だっただけのことだ。
感性に沿うんじゃなくて、感性を作る方がよっぽど魅力的だ。
ある意味で”時代を越えた音楽”にも尊さを感じる。
厳密に言えば、時代を越えて積み重ねてきた営みに対してだ。
この曲を生み出したバンドも、熱狂してきたリスナーも、さまざまな人生があって歩みを進めたことだろう。
そこには些細なことがたくさんあって、歴史的に日の目を浴びない、数多ものエピソードや感情が存在しているだろう。
そこに俺は尊さを感じるし、それは必ずしも正の感情ではない。
センチメンタルとも近い、形容してはちっぽけになってしまう気持ちを、あらゆるものに感じている。
この部分はしばらく自分の音楽テーマに埋め込んでいきたいと思っている。
さて、そんなことを感じながら、俺は次のアルバム制作をしている。
今回は今までと違い、シングル配信を定期的にしながら宣伝をしていく形をとった。
そうしないと話題性が少なく飽きられるかと思ったからだ。
残念ながら、活動初期のようなリアクションの勢いは失われ、誰かに届いている感じを実感しにくかった。
作っているものが悪いのだろうか?
曲の魅力がなくなってしまったのだろうか?
長い期間考えて考えて、想いをたくさん込めた曲は、それこそ歴史的に日の目を浴びない曲ばかりだ。
自分の作品を「嫌い」とは言わないが、少し逃げ出したくなって、早くさらに次の作品へと進みたい気持ちがしていた。
いや、大して届かないなら、音楽などやっている意味があるのだろうかとまた考えたりもした。
そんな気持ちをおそらく1年以上抱えていたと思う。
前回のブログでも書いたが、w-mは少しずつライブ活動もしている。
これもやっていて何を起こしたいのか分からない。
ただ共通して言えるのは、歳を重ねるたびに人生が見えてきて、今は尊さを知るために、伝えるためにやっている。と思う。
子どもだった頃のパッションで音楽をやっているわけではない。
(それはw-mを始めたときからそうだったが)
生きてきて、たくさんの”日の目の浴びない”物事があった。
しかしこれは絶対に誰かの人生には関与しているものであり、俺もその些細さからたくさんのことを教えてもらったのだ。
歴史という形としては残ってはいない、だけれど自分の生命の骨格を形成したものだ。
それは親からの教え、スマパンの曲、街の朝の風景、あいつのあの時の表情など。
何にも残らないはずが、自分の中に取り込まれている。
知られざる、秘密の遺伝子なのだ。
俺はリリース前の楽曲達を聞き返しながら、最終調整をしている。
クランクアップももう少しだし、ここにきて楽曲のパワーアップを試みている。
こいつらは何か大きなことを引き起こしたりしないだろう。
だがきっと、誰かの中に取り込まれることだろう。
そう信じていると、もう少しいいものに仕上げてやろうと思ったんだ。
-今日のおすすめの1曲-
The Smashing Pumpkins - The Everlasting Gaze
-コメント-
スマパンはなぜか出す曲がめちゃくちゃ多い。2枚組の名盤を出したことも有名だろう。
全部聞こうとするとなかなかどう手をつければいいか分からなくなるバンドでもあると思う。
ただこのアルバム「Machina/The Machines Of God」は全部を通して聞きやすく、バンドによくある中期らしいサウンドで良いバランスだと思う。
Todayとか1979とか、そこらの代表曲が好きな人にとっては中和が取れたアルバムだ。
その中でもヘヴィで耳心地の良いこの曲をチョイスした。
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