フィラメント

規制線をまたぐ夏の夜

冷や汗を拭うのも慣れた

遠い日々を生きる意味のように

浮かべながら収束を図る

そう繰り返している

 

手を伸ばす影に闇を繋ぐ

青い好奇心

少しだけ見えた気がしていた

広い世の理

 

寝苦しさに夢の輪郭を

また浮かべながら

ひたとへばり付く本物の暗闇

 

何も知り得ない少年たち

無邪気な眼差し

意味も求めずに過ごせた日々

心地よい憧憬

 

思い出した昨日の夢

長い夜は自分自身の影だ

やがて時が満ちる前に

乗り越えて行くから

一瞬の光のように

この世界を眩しく照らせ

悔いはないさ、忘れて、行こう

 

あの頃のように少し、笑え