〜あなたを救うのはたった2分20秒の世界〜
w-mのいしはまです。
最近ね、「レビュー読んでます!」ってコメントもらって嬉しいのよね。
小生の稚拙な文章で何かが変わっているのだろうか、そう思うと胸が熱くなる。
言い方が失礼かもしれないが、まだまだ有名でない方も含めて「良いものを良い」と言っていく活動を続けていきたい次第である。
さて、本日ご紹介するのは打って変わってTwitter上では有名なお方である。
しかし、このアーティストさんが「アルバム」単位で配信までしているのは意外と知らなかったりするのではないか、と思いレビュー欲をかき立てた。
もちろん、俺のレビューするアーティストさんは曲が良いのは当然のことである。
本日は話題沸騰中、猫好きでも有名な山出和仁氏をご紹介します。
(Vol.12・・・2019/2/11)
山出和仁(やまいでかずひと)氏。
Twitter上にて、動画時間上限である2分20秒の楽曲を毎週アップロードしているため、お目にかかったことのある方もいるかと思う。
そのコンセプトは「月曜日への不安を少しでも楽にすること」であり、「言葉にならない余白を表現する」こととなっている。
詳細はホームページによくまとまっているのでそちらをご覧頂きたい。
この時点で言えることは、発想が面白い方だと思う。
それに軸もしっかりとしているように見え、社畜たちのブルーマンデーを和らげようという活動はもはや菩薩のようである。
実際この後レビューに入っていくが、曲調は優しく包み込まれるようなものが多く、決して不快感を与えるようなものではない。(w-mとは真逆の音楽である)
山出氏のファンの方も、改めて楽曲を振り返る意味でもお付き合い頂きたい所存だ。
山出氏は現在アルバムとしては一枚、「2分20秒の音楽#1」をリリースしている。
本作においては全て徳久望氏がボーカルとして参加している。
12曲入りで全て2分20秒。さらりと聴けるとも言えるし、聴き応えのあるアルバムでもある。
完全独断で、1曲チョイスして貼らせて頂いた。
俺がこのアルバムで最も好んでいる曲「水槽」だ。
とにかく穏やかなのが山出氏らしい楽曲だと思う。
全ての曲に共通するが、無駄な楽器が邪魔するようなことはなく、ピアノや弦楽器などがシンプルに使われている。
うむ、すまん、俺はなぜこの曲が特段好きなのか上手く言葉に出来ない。
後半にかけて盛り上がるとかそういうことだけではない気がする。
ただ直感的に、月曜日の憂鬱を最も和らげてくれそうなほど、とにかく優しい歌に感じた。
音楽業界ではイントロ戦争の時代だとも言われるが、その通りで初っぱなからやられてしまった曲。
ここはあっさりで恐縮だが、続いてアルバム全体のティザーを見てみよう。
全体として聴いて、個人的に好きな曲はM1「水の音」、M3「日々の終わりに」、M6「結晶」、M8「飛行」、M11「Error」だろうか。
ほとんどの曲にピアノもしくはアコースティックギターが用いられているのが特徴だ。
アンビエントから民族音楽系統の曲調、そしてファンタジックでもあり、楽曲はどれも質素なものではない。
特に「Error」のクールで若干暗くも受け取れるこの感じも好物である。
そして歌モノっぽい曲調もあったりするため、こうしたジャンルに縛られずに聴いてみて頂きたい。
(Ex.M8「飛行」、M12「もういいかい」等)
歌についても触れるが、徳久氏の歌い方も流石といったところで、曲調に応じて見事に表現出来ている。
中性的な声質もあっているが、感情の入れ方がそれぞれの曲で違って面白い。
無機質でもあるし、感情的でもあるのだ。しかし一貫して透き通っている。
ロック畑の人間としては、トムヨークのような透明さを感じる曲もある。
M1「水の音」とラスト曲M12「もういいかい」などを聞き比べてしまえば明白である。
経緯などは存じていないわけだが、この二人がコラボしていることも何かの巡り合わせなのだろうか。
このアルバムは名盤に近い。
現在はフィジカルリリースされたものはソールドアウト状態らしいが、是非とも一つの「作品」として通して聴いてほしいと願ってやまない。
レビュー字数が嵩んできたところで恐縮であるが、どうしてももう1曲俺の大好きな曲を紹介したい。
アルバム作品から飛び越えて、シングルリリースされている「凪の静か。」である。
おそらくこちらの歌は山出氏本人。
うーむ、エモい!(エモいとは哀愁によってなんだかよくも分からず感情が揺さぶられる意味である)
アコギと歌。しかしただの弾き語りには決して聞こえない。
コーラスワークが素晴らしいから?コード進行が優しいから?
声が美しいのはもちろんのことである。
こういった、答えが曖昧になってしまうとき、俺は便利な「センス」という言葉に頼らせてもらう。
山出氏のセンスは計り知れない。
俺の今までの稚拙なレビュー記事の中でも、ここまで抽象的な表現が多かったことは流石になかったと思う。申し訳ない・・・
しかしながら、そんな状態の自分に陥っている状態こそ、山出氏のセンスが優れているからという他に答えが見つからない。
さて、冒頭に「話題沸騰中」と書いたわけだが・・・
2018年2月には映画「黒神よう子の人形」の音楽を担当している。
本作品は残念ながら寄稿している本日、渋谷にて公開らしい、、、
なんと俺はタイミングが悪い人間なのだろうと思いますが、山出氏、どうかお許し頂きたい。
これらの通り、歴とした作曲家なので、こちらでレビューすることもいかがなものかと思ったが、少しでもこの記事で興味を持って頂けたなら本望である。
山出氏の目指すところというものは正直知らないのだが、毎週日曜日にTwitterにてアップされる2分20秒の世界を楽しみにすることも良いだろう。
だが個人的には、2分20秒の世界を飛び越えて、山出ワールドにさらに足を深く踏み入れ、アルバム作品を聴くことをおすすめしたい。
(もしくはプレイリストなどでまとめて聴くことをおすすめしたい、2分20秒だけで終わらせてほしくない)
ますます山出ワールドを好きになった、俺からのメッセージを最後に、レビューを終わらせて頂く。
あ、今日のおすすめ1曲は山出氏が担当した映画のトレイラーを貼らせて頂きます。
そちらもチェックしてみてちょ。では!
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